現像ソフトとしての【Lightroom】に興味を持ち、無料体験版をインストールしてはみましたが、そこから先に進めなくなり、1週間かけて「カタログ」というハードルを乗り越えた奮闘記の後半です。(^^)
前半は「RAW現像ソフト【Lightroom】の最初のハードル「カタログ」を乗り越える!」です。
【Lightroom】未経験者が、どのようにこのハードルを乗り越えたかそのノウハウを、私と同じように悩む可能性のある将来の【Lightroom】ユーザーのためにアドバイスできればと思います。
前記事でもお断りしましたが、私は【Lightroom】初心者です。
インストール直後に躓いて、1週間がかりでなんとか乗り越えたところです。したがいまして、誤解やミスがあるかもしれません。鵜呑みにしないでください。
この点をご了承いただける場合のみ、読み進んでください。
そして、もしミスや不正確な点があれば優しく教えてくださると有り難いです。m(._.)m
再確認ですが、「カタログ」は、写真のデータベースを作るだけであって、実際の写真ファイル自体はそのデータベースの中に移動や複製されて格納される訳ではありません。
別のところにあります。別のどこにあるかは、「カタログ」への読み込み方法によって異なります。(そのことについては後述します。)
このことをよく把握しておいてください。
それでは後半です。
前半で次の5つの問いをあげました。
1. 「カタログ」をいくつ作るのか?
2. 「カタログ」をどこに保存するのか?
3. 「カタログ」のバックアップはどこに保存するのか?
4. 「カタログ」に写真を読み込む方法は4つの中のどれを選ぶ?
5. 写真本体はどのように管理するのか?
実はこれらはお互いに関係しています。単独で解決がつくものではありません。
読み進むにしたがいそのことをご理解いただけると思います。
この記事のコンテンツ
カタログとそのバックアップと写真データの管理方法
1.「カタログ」はいくつ作ればよいのか?
意見の分かれるところかもしれません。
「カタログ」がデータベースであるということは、写真ファイル数が膨大になればなるほど求める写真を検索して抽出するのに有利だということになります。
例えば、「2013年にNikon D800に接写レンズのMicro NIKKOR 60mm f/2.8G EDを付けて撮影した野草のオオイヌノフグリの写真」を見つけ出したい場合に、必要なキーワードで検索すれば抽出できます。
もっとも、自動的に記録してくれるメタデータ以外は、「カタログ」に読み込んでから、「野草」「オオイヌノフグリ」などの検索キーワードとなる言葉を手動で入力しておく必要はもちろんあります。
あるいは、写真をレーティングする(色や★で重要度を示す)作業もしておいた方が抽出にはよいですね。
このような抽出できるような準備さえしておけば快適に使えそうです。
それがデータベースのデータベースたる所以です。
こういう視点からとらえると、「カタログ」は1個で管理するのがよさそうです。
実際、多くのユーザーがすべての写真ファイルを1つの「カタログ」に読み込んでいるようです。
キーワードやレーティング設定を手動でする気がありますか?
ここで1つ考えておかなければならないことがあります。
それは、「検索・抽出するための作業、すなわち、情報の手動入力(キーワード/色/★を設定すること)を1枚1枚の写真に対して本当にやる気がありますか?できますか?」ということです。
私のように、これまでの写真が6万枚あると、手動入力はとんでもない作業です。無理です。
そんな時間があれば撮影します。現像にもっと時間を使います。
これから撮る写真は大丈夫かも知れません。その気があればできますね。
「カタログ」を1枚にするかどうかを考える時に、この点もしっかり考えておく必要があります。

キーワードは9個まで設定できます
ついでながら、過去の写真だけで1枚の「カタログ」を作り、これから撮影する写真に対してさらに1枚の「カタログ」を作るという考え方もあるかもしれません。
話を戻します。
一方、
「カタログ」という名のデータベースが肥大化して、そのためにHDDを圧迫するだけでなく、「カタログ」の実行速度の鈍化あるいは何かしらの不具合が生じることも“無きにしも非ず”という情報があります。
1つの「カタログ」に取り込む写真データは一万枚が目安とする先輩ユーザーもおられます。
実行速度の低下に関しては、「カタログ」の最適化という機能がメニューにあります。それである程度は改善するようです。
テスト用の写真収納フォルダを作り動作確認しています。
フォルダには、1300枚ほどの写真が入っています。
何度か【Lightroom】を立ち上げては終了させています。実際に写真を編集したのは1枚だけです。
それでも、「カタログ」のファイル容量は約160MBもあります。
気になって過去10年間に撮影し保存した写真の総枚数を確認してみました。
現在、約6万枚保存してあります。(不必要な写真は削除済みの総数です。)
これらを1枚の「カタログ」に読み込み、現像作業などを続けていくと、「カタログ」ファイルの大きさは一体どれくらいに膨れあがるのでしょう?
この点で、「カタログはいくつ作ればよいのか?」という問いは、2の 「カタログをどこに保存するのか?」という問いと密接に関係してきます。
そしてそれは、3の「カタログのバックアップはどこに保存するのか?」という問いとも密接に関係してきます。
というのは、
「カタログ」とそのバックアップファイルを同じHDDあるいは同じボリューム内(この場合は、HDDを複数のパーティッションに区切った保存領域、例えば、(C)や(D)や(E)フォルダのこと)に保存することは、バックアップには事実上なりえないからです。
特に、システムが入っている(C)フォルダはあり得ません。
最悪でも、別のボリュームに保存すべきです。
ウィンドウズが壊れたらどうなるでしょうか?
ウィンドウズが壊れるということは、普通の環境なら(C)フォルダがやられるということです。
通常、ウィンドウズの再インストールでデータを失います。
HDDが物理的に壊れたらどうなるでしょうか?
例えば、パーティッションで切っただけの同じHDD内の(C)フォルダに「カタログ」本体を、(D)にバックアップを取っていたとします。
所詮は1つのHDDですから、物理的に壊れるということは両方のフォルダのデータを失うということです。
繰り返しになりますが、
「カタログ」の数は1つというのが管理上は一番簡単です。理想です。
データベースとして活用するにも「カタログ」は1つであった方が、全ての写真ファイルを対象に一括して検索・抽出できますから圧倒的に効率的です。
この点に優位性を持たせるなら、そして他の条件が許すなら(つまり、速度の鈍化などの症状がなければ)、1つのカタログで管理することをお薦めします。
しかし、私は写真フォルダは日付と「イベント/プロジェクト」名で自分なりに分かりやすく管理しており、今までに過去の写真を探すのにひどく困ったようなことはありません。
したがって、
「カタログ」の保存場所とバックアップの保存場所のことを考慮して、
私の場合は「年」単位で作成し管理することにします。
ということは、デジタル写真は2005年からなので、今年(2015年)を含めて、計11枚ということになります。
私のようにファイル管理、フォルダ管理をきちんとしていて特に不自由を感じていない人は、無理に1つの「カタログ」にこだわることはないと思います。
むしろ、今までの写真保存枚数が一万枚を超える人は、私のように「年」単位の管理をお薦めしたいと思います。
ちなみに、アドビは必ずしも1つの「カタログ」を推奨している訳ではありません。
それどころか、プロジェクト単位での作成を提案しています。つまり、複数の「カタログ」を勧めている訳です。
問題は、プロジェクトの規模になるでしょうね。あまり細分化するのも非効率的ですから。
後は、みなさんのご判断です。
2015年4月:追 記
4月中旬に実際に【Lightroom】の乗り換え版を導入した際に、再考し直して、カタログは2枚態勢でいくことにしました。
1枚は、2005~2014年まで、もう1枚は、2015年です。後者は、2015年だけになるか、「2015~」になるかはまだ決めていません。
このように決めたのは、2015年から撮影する分に関しては、キーワード検索などが使えるようにデータベースとしてきっちりと管理しようと思ったからです。
2. 「カタログ」をどこに保存するのか?
現在私のPCのシステムが入っているSSDですが、その容量は120GBです。実際に使えるのは、105GBです。
残りの空き容量を考えると余計なものは入れられない状況です。
アクセス速度を考えるとSSDに入れた方がよいのですが、ここに「カタログ」を入れることは現実的ではありません。
まして、写真本体もコピーして、あるいは複製して、一緒におくことなど物理的に不可能です。
こういう環境のユーザーが選ぶべき選択肢は、システムが入っているディスクとは別の内蔵HDDあるいは外付けのHDDになるでしょう。
私の場合は、
内蔵HDD内の(E)フォルダに写真データと「カタログ」ファイルを保存し、両方とも「年」単位で一括管理することにします。
つまり、
写真フォルダが入っている、例えば、2005年というフォルダの中に「カタログ」を保存するフォルダを作って、写真データと「カタログ」ファイルの両方をセットで管理するということです。
そして、大容量の外付けHDDをバックアップディスクとして活用し、写真データと「カタログ」のバックアップファイルの両方を保存します。
これで、「3.カタログのバックアップはどこに保存するのか?」も同時に片付きました。
ちなみに、大容量のクラウドサービスが利用可能ならば、そこをバックアップファイルの保存先にするのも選択肢だと思います。
2015年4月:追 記
カタログを2枚態勢にすると同時に、HDD管理も再考し直しました。
4. 「カタログ」に写真を読み込む方法は4つの中のどれを選ぶ?
上記のように、選択した写真を読み込むには4種類の選択肢があります。
文字の部分が薄い(これがこのソフトの欠点の1つ)ので分かりにくいですが、どれかを選択するとその簡易な説明が直下に表示されます。
上の画像では、コピーを選んでいますので、「写真を新しい場所にコピーしてカタログに追加」とあります。
説明が簡単すぎてピンとこないという人もいると思いますので、もう少し具体的に説明を試みます。分かっていただけるとよいのですが。(^^)
(1)DNG形式でコピー ⇒ この選択肢は無視してよいと思います。
写真データはDNG形式に変換して新しいフォルダに複製し、データベースとなる情報だけをカタログに記録するという選択肢です。
ちなみに、DNG形式というのはRAWファイルの標準形式で、アドビが提唱したものですが、一部でしか普及してないのではないでしょうか。
(2)コピー ⇒ コピー&ペーストに相当
元の写真は移動せずに残したまま、新しいフォルダに複製を作り、データベースとなる情報だけをカタログに記録するという選択肢です。
適当に選択すると同じ写真データが複数できることになり、HDDを不必要に圧迫します。
(3)移動 ⇒ カット&ペーストに相当
元の写真を新しいフォルダに移動し、データベースとなる情報だけをカタログに記録するという選択肢です。
移動させるのですから、元の写真データは無くなります。このことをしっかり理解してください。
(4)追加 ⇒ データベース情報だけ「追加」するという意味でしょうか?
元の写真は移動させず複製も作らず手を付けません。ただ、写真へのリンク情報をカタログに記録するという選択肢です。
【Lightroom】がユーザーの求めに応じて、必要な時に元データにアクセスしに行くという意味でしょうね。
これまでのフォルダ管理をそのまま活かしたい場合は良い選択肢だと思います。
(2)の「コピー」で取り込みテストをしたのですが、自分が管理のためにフォルダに付けていたイベントやプロジェクトを示す名前がなくなって、「2005-10-17」のように年月日だけになっています。たぶんですが、元のフォルダ名をそのまま使いたい場合は(4)しか選択肢がないのかもしれません。
これらの選択肢の意味を正しく理解して先に進まないと、同じHDDの中に写真を保存しているフォルダが不必要に2つ存在することになったり、元々写真を保存していたはずのフォルダから意に反して無くなって行方不明になったり、複製と移動を混在させて訳の分からない混沌状態になる可能性があります。
自分がやろうとしていることが何を意味するのかを理解してから選択してください。
他のことにも言えますが、理解していないのにやたらクリックをしないことです。
分からなければソフトのヘルプなりネットを検索するなりして、意味を理解してからやりましょう。
面倒でも結局はその方が幸せになれます。
ちなみに、私はこれまでのフォルダ管理をそのまま利用して(4)にしようかな、という気になっています。
2015年4月:追 記
結局、(2)にしました。
5.写真本体はどのように管理するのか?
上記の「4.カタログに写真を読み込む方法は4つの中のどれを選ぶ?」と密接に関係します。
撮影後にPCあるいは外付けHDDに保存した写真データを【Lightroom】の導入に伴いこれからどう管理していくのかという問題です。
例えば、同じHDDに元データと【Lightroom】による複製データを保存するのはHDDの空き容量を圧迫するだけで何の意味もありません。
外部HDDに元データを保存し、PCの内蔵HDDに【Lightroom】による複製データを作成する方法もあるでしょうし、その逆の選択肢もあるでしょう。
大切な写真データですから普通はバックアップを取っていると思います。
そのバックアップの取り方とも関連してきます。
このように、【Lightroom】を導入するということは、データをどう管理していくのかということをあらためて問われることになります。
この点もまた、【Lightroom】導入の”隠れたハードル”かもしれません。
しかし、ポジティブに考えれば、データ管理のポリシーを持たずになんとなくPCを扱ってきた人には、ステップアップする良い機会になるかもしれません。
まとめ
私自身よい勉強になりました。
最初は「カタログ」とそれを扱う「ライブラリモジュール」を理解すればOKだと思っていた訳ですが、内蔵および外付けタイプを合わせて、HDDをどのように管理するべきかを再考することができました。
この記事の始まりは、「RAW現像ソフト:SilkyPixユーザーはLightroomに乗り換えるべきか?」というところから始まったのですが、気づいてみればいつの間にか【Lightroom】の機能に魅了されているところもありました。
「乗り換えるべきか?」という問いにまだ回答を出せる段階ではありませんが、可能ならば両方使って比較検証してみたいと考えています。