フィルムカメラ全盛時代、ポジフィルムで風景写真を撮る写真(愛好)家にとって、三脚を使うのは当たり前でした。
35mmなら、快晴時の光量たっぷりな時間帯は手持ちでも撮影可能でしたが、光量が不足するような気象条件下での撮影や朝焼けや夕焼けの風景を撮るとなると、三脚は必須アイテムでした。
ですから、三脚を使っていないと、他のカメラマンから冷たい視線を感じたり、後ろめたいような気になったものです。(^.^)
デジタルカメラ時代に移り、高感度撮影での画質が改善され、高感度で何の問題もなく撮影できるようになると、昼間の時間帯は三脚の出番はほとんどなくなりました。
今や無用の長物化しているとさえ感じることもあります。
一方で、
こんな場所で、こんな明るい時間に、なぜ三脚を立てているのだ、手持ちで十分に撮れるのに他の人の迷惑ではないか、と思うような状況に出くわすこともあります。
三脚を使って撮影するものだと凝り固まっている写真(愛好)家が今も少なからずいて、傍若無人に場所を占拠している訳です。
狭い山頂で不必要に三脚など立てられたら、他の撮影者の邪魔になる場合も多々あります。
私たち写真(愛好)家は、デジタル時代に合わせて三脚の使い方のマナーについて考え直すべき時が来ていると思います。
話はそれましたが、
三脚の出番が極端に少なくなったデジたたる時代にあって、どうしても三脚を必要と場面ももちろんあります。
特に、今は「星景写真」がブームとなっています。
比較明合成やタイムラプスが大流行です。
このジャンルの撮影では、長時間露光をかけますから三脚は必須です。
さて、ここから本題ですが(←我ながら、本題までが長いだろ!というツッコミをしたくなりますね。)
丈夫な三脚を用意しカメラをしっかりと固定することは当然ですが、夜間の撮影において、手早くセッティングをするためにも『クイックシュー』はあった方がよいだろうと思います。
撮影アクセサリー:愛用のクイックシューと雲台
というわけで、今回は敏速な撮影態勢をとるための必需品として愛用している雲台とクイックシューをご紹介します。
クイックシューとしては、フィルム時代の長い間初代ペンタックス645用の製品を使っていました。
これの利点は受け皿は共通でカメラ側に付けるプレートが中判カメラ用と35mm用の両方が用意されていることでした。
しかし,35mm機材だけやデジタル一眼レフでの撮影山行では不必要に大きくて重たいシュー(受け皿)とカメラプレートは現実的ではありませんでした。
そこで、適当なクイックシューを探していましたが,なかなか「これだ!」と思うような製品がありませんでした。
2008年に「梅本製作所」の製品「高度自由雲台」を情報サイト「デジカメWatch」で知り欲しいと思いましたが,それに合うクイックシューも同時に欲しいと思っていましたので、その時点では購入には至りませんでした。
そして,2009年9月に「梅本製作所」がクイックシューも開発したと知り即,購入を決意しました。
もちろん,このクイックシューを最も安定した状態で使うために,同製作所の自由雲台も同時購入しました。
購入した製品を並べて写真に撮ってみました。
梅本製作所の雲台とクイックシュー
実際に使ってみて,自由雲台とクイックシュー双方の完成度には驚きました。
言葉で表現するのは難しいのですが,カメラ店で普通に取り扱われている製品とはレベルが違います。
軽量であるにも関わらずその高精度と剛性感,そして使いやすさは特筆ものです。
上述のペンタックスの製品では,注意しないと金属プレートの縁で手を切ることがありましたが,梅本製作所の製品ではそのような心配は無用でした。
使う人の立場で細部にまで気を遣って設計された製品です。
自由雲台は他所の製品にも優れたものがあるでしょうが,クイックシューに関しては孤高の存在と言ってよいでしょう。
一度このクイックシューを使うと他製品にはまったく魅力を感じなくなるほどの完成度です。
ついでながら,購入の際に梅本さんと直接電話でお話をさせていただきましたが,温厚な人柄の様子ながらも職人気質という雰囲気が伝わってきました。
梅本製作所 関連情報
◎参考ページ(1):梅本製作所のホームページ
◎参考ページ(2):自由雲台の製品詳細ページ
◎参考ページ(3):クイックシューの製品詳細ページ
◎参考ページ(4):梅本製作所 ネットショップ
関連情報 デジカメ Watch
◎参考ページ:設計者の梅本晶夫氏にきく
◎参考ページ:5年の歳月を費やして完成したクイックシュー
◎参考ページ:1度使ったらやめられない!? 絶妙フィールのクイックシュー