野鳥は超望遠レンズで撮影することが多いので、当然背景が大きくボケるのが普通だと思います。
その部分に意識的に“色ボケ”を配置することで効果的に季節感を演出できることがあります。
特に、萌黄・若葉そして各種桜の時期は狙い目です。さらに、逆光や木漏れ日を上手く利用できれば効果抜群です。
昨秋から近くの公園にウォーキングに出かけるついでにコース上で見かける野鳥を撮影するのが習慣となりました。
今ではウォーキングに行っているのか野鳥の撮影が主な目的なのか分からなくなるほど野鳥との出会いを楽しみにしています。
最初は【70-300mm】のズームレンズで撮影していたのですが慣れるにしたがい物足りなく感じるようになり、3ヶ月後には【150-600mm】という写真人生初の超望遠レンズを購入してしまいました。
ズームレンズで我慢しているのは、野鳥に関しては素人なのであくまでも“趣味”レベルで楽しんでいるだけだからです。
背景の色ボケを利用して季節感を演出
可愛らしい小型の野鳥が好きなのですが、その中でも今年になって積極的に撮影しているのは、瑠璃色が美しい『ルリビタキ』です。
このルリビタキは3月の下旬に撮影したものです。
ここは私のウォーキングコース上ではルリビタキとの遭遇率が一番高いポイントです。
この日は、その1週間前はまだ蕾だった緋寒桜のピンク色を色ボケとして利用することを前もって決めていました。
緋寒桜を背景におけて、邪魔になる小枝の少ないところでルリビタキの止まりそうなところ、さらには新芽や若葉も色ボケとして利用可能な場所という条件で撮影ポジションとアングルをさがしました。
その結果、ほぼピンポイントでこの地点しかありませんでした。
後は、こちらの注文通りにルリビタキがレンズと背景の緋寒桜との間、しかもできるだけレンズ寄りに来てくれるのを待つだけです。
そんなに人間様の都合よくルリビタキが望みの場所に来てくれるものかと思われるでしょうが、ある程度の可能性は期待できました。
というのも、この木の辺りには少なくとも3羽のオスのルリビタキが姿を現わすことを確認済みだったからです。
3羽いれば確率は期待してもよいレベルになるでしょう。
近くの場所に時折やって来るルリビタキやヤマガラ、エナガ、メジロなどを撮影しながら待つこと約1時間!
期待通りのポイントにルリビタキが止まってくれました。
後からモニターで等倍にして確認すると、最初に連写で撮影した10枚ほどはどれも微妙にピントがずれていました。
次に連写したのはどれも気持ち良く目にピントが合っていました。
その中の一枚が上の写真です。
連写でゲットできた他の表情もお見せしましょう。
もう少し枝の少ないところならもっと良かったのですが、ルリビタキの手前に被る枝が無かっただけでも運が良かったと思います。
狙い通りに大きくぼけた桜のピンク色を背景に入れ春のこの時期の季節感を上手く演出できたという点では満足しています。
ところで、この場所のルリビタキは、桜の時期が終わった頃には山の方に移動していなくなると予想しています。
そうなると、再び会えるのは秋の後半以降でしょうか。
その時は紅葉の色ボケを利用して季節感を出したルリビタキの写真を狙いたいと思います。