今回の「オールドレンズを楽しむ」は【Sony α7R+Distagon T*28mm F2.8】です。
Carl Zeiss T*コーティングによる圧倒的な描写性で人気を博したコンタックス・ツァイスの銘レンズを、ソニー製のミラーレス一眼カメラ【Sony α7】シリーズのカメラで甦らせることが可能となりました。
これに大きく貢献しているのは、複数のメーカーが製作販売している専用のマウントアダプターでしょう。
もちろん、以前からマウントアダプターを介してオールドレンズを楽しむやり方はありました。
しかし、画角も変わらずそのままの焦点距離(例えば、18mmのレンズはそのまま18mm)で、しかも制約(特定のレンズが使えないなど)も事実上ほとんど無く、眠っていたレンズを甦らすのはソニー製のミラーレス一眼レフカメラ【α7シリーズ】が誕生して可能となったと理解しています。
甦るCONTAX ZEISS レンズの魅力
Carl Zeiss T*コーティングによる圧倒的な描写性で人気を博したヤシカ/コンタックス・マウントの銘レンズの中から,今回は【Distagon T*28mm F2.8】を、ソニー製のミラーレス一眼カメラ【Sony α7R】で甦らせてみました。
ディスタゴン T*28mm F2.8
「ツァイスT*スターレンズの世界 初版」には、次のように書いてあります。
フランジ面から先端までの全長が50mmと短く、レンズ重量も280gと軽量コンパクトなレンズです。
中心コントラストが開放絞りから高く、コストパフォーマンスから言っても大変有利なレンズと言えます。
使用範囲は標準的にも広角としても、使い分けし易いことから、レンズ系列にあとから参加したにもかかわらず、多くの愛用者を得ています。
スペックは下記の通りです。
◎焦点距離:28mm ◎レンズ構成:7群7枚 ◎最短撮影距離:25cm ◎絞り目盛:F2.8-F22 ◎絞り羽根枚数:6枚 ◎寸法:62.5x50mm ◎重量:280g ◎フィルター径:55mm
試写・検証の印象と作例
私はこのレンズを多用はしませんでした。正直なところ印象も薄いです。
【ディスタゴン T*25mm F2.8】の紹介ページで書いたように、山岳写真では【Distagon T*25mm F2.8】の出番が多く「控え選手」のような位置づけでした。
撮影遠征、特にアルプス縦走に出かける際は、できるだけ機材を軽くする必要がありました。
そのような場合、どうしても25mmの焦点距離にこだわる必要が無い時には、25mmと35mmの2本をこの1本で代用させました。
今回デジタル撮影でこのレンズを甦らせるために試写をして少々後悔しています。
結構近くまで寄れるので作例のように接写的に使うと、背景のボケた部分の雰囲気がとても柔らかくていい感じです。
こういう風に使ったことはなかったな、とあらためて反省することになりました。(これが、開放値がF2であれば、もっと積極的にボケを活かした使い方をしていたことでしょう。)
全体的な印象としては、開放値での周辺光量の低下がありますが、歪曲も無く素直な描写をするようです。クセが無い、という感じでしょうか。
現在、中古市場で入手するとすればコストパフォーマンス最高の1本だろうと思います。
下記のサンプル画像はリサイズ以外は無編集です。いわゆる“撮って出し”のJPG画像です。
しかしながら、このブログに投稿すると自動的にある程度”圧縮”されるので、厳密な意味での“撮って出し”ではありませんのでご了承ください。
その代わりに、生データは本ブログの母体である「石鎚自然写真館」の『甦る銘レンズ』のコーナー、ディスタゴン 28mm F2.8 でダウンロードできるようにアップしていますので、興味のある方はダウンロード(1枚あたり13~15MBほど)して、モニター上で等倍にして隅々まで観察してみるのも面白いのではないでしょうか。
ディスタゴン28mm F2.8+SONY α7Rのサンプル画像(絞り F2.8)
ディスタゴン28mm F2.8+SONY α7Rのサンプル画像(絞り F4)
ディスタゴン28mm F2.8+SONY α7Rのサンプル画像(絞り F5.6)
ディスタゴン28mm F2.8+SONY α7Rのサンプル画像(絞り F8)
ディスタゴン28mm F2.8+SONY α7Rのサンプル画像(絞り F11)
ディスタゴン28mm F2.8+SONY α7Rのサンプル画像(絞り F16)