星景写真で使いたい大口径広角レンズとして、大口径広角レンズ【SIGMA 24mm F1.4 DG HSM】を2015年2月28日にとりあげました。
「星景にも都市景にも最適な、クラス最高の光学性能」というキャッチフレーズに惹かれたからです。
大口径広角レンズを1本も所有していない私はこの謳い文句がそのまま事実であることを期待して、4月末に購入し2ヶ月ほど使ってきました。
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一番の購入目的は、星景写真に使うためですので、星を点として撮影する際に気になる「サジタルコマフレア」がどれほど抑えられているかが問題です。
その検証結果を下記にまとめておきます。
★参照記事 ⇒ 大口径広角レンズ【SIGMA 24mm F1.4 DG HSM】
2つ絞って【F2.8】からが実用レベル
サンプル画像を載せておきます。
約2MBありますが、等倍でないとわかりにくいので是非拡大してご覧ください。
(画像をクリックして拡大表示)
左が【F1.4】絞り開放で、右が2段階絞って【F2.8】での撮影です。
典型的なサジタルコマフレアに赤丸をしてあります。
2段階絞ることでどれくらいの変化があるか分かるように1カ所同じ星に印をしています。
このレンズは、サジタルコマフレアを抑えて夜景や星景に使ってくださいという趣旨で開発されたレンズです。
つまり、点が点として写りますよ、がうたい文句のレンズです。評判もよいです。
しかし、それでも開放が【F1.4】だとかなりあります。残念ながら、許容レベルを超えています。
【F2】でも試してみました。数は減りますが、目立つのがまだ見受けられます。
テストの結果、【F2.8】が妥協できる実用レベルだと判断しました。
理論上は、同じF値なら、サジタルコマフレアを抑制したレンズ以外だと、もっとこのコマ収差がひどく現れるということになりますね。
どこまで容認できるかは撮影者によると思いますが、全紙プリントや4Kテレビでの鑑賞を前提にして作品を創っていますので、私の評価は上記のようになりました。
(超)広角ズームレンズだと開放値が【F4】のが多いと思いますが、【F2.8】で撮影できるということは、シャッター速度【30秒】のところが【15秒】になる訳ですから、星がより点として写せることになります。
このメリットはとても大きいと思います。
しかも、2段階絞ることで周辺減光なども改善されるので、なおさらメリットは大きくなるでしょう。
さらには、条件が許せば【F2】や【F1.4】でも撮影できる訳ですから、開放値が【F4】辺りのレンズに比して絶対的に優位であり、それゆえに大口径広角レンズを所有する意義があると言えます。
サジタルコマフレアに関して
そもそも「サジタルコマフレア」とは何?という方のために簡単に説明しておきます。
サジタルコマフレアは、大口径レンズの開放絞りでの撮影では、夜景や星空などの点光源の像が画面周辺部で翼を広げた鳥(ニコンは、鳶のような形やカモメが飛んだような形と表現)のような形に滲む収差のことです。
通常の撮影ではあまり目立たないのですが、星景写真では星を点に見えるように撮影する、あるいは夜景の撮影でも照明のような点像(イルミネーション)を点として撮影する際には、非常に目立ってしまいます。
2~3段絞れば実用レベルの改善が期待できますが、星景写真では大口径のレンズを使って、しかもできるだけ開放絞りで撮影したいので、悩みの種なのです。
シグマやニコンの「サジタルコマフレア対策」の取り組み
知り限りでは、ニコンやシグマがこのようなレンズを出しているのですが、まだ選択肢は少ないようです。
シグマは、本レンズの特長として、「サジタルコマフレア・色収差・歪曲収差・周辺減光などを低減し、クラス最高レベルの光学性能」としています。
非球面レンズをレンズ最後部に置くことによって、サジタルコマフレアの発生を極限まで抑えることができた。
その結果、点像再現性を飛躍的に向上させることができたと自信をもって表明しています。
つまり、レンズの周辺部まで”点光源が点に写る”ように補正したという訳です。
それにより、「天体写真やイルミネーションの撮影に向く」レンズであると謳っています。
ニコンも最近、「点が点に写る」設計思想に言及しているのはご承知でしょう。
ちなみに、「サジタルコマフレア」に最初に積極的に対応したのはニコンだったように思いますが、調べてみると、「AF-S NIKKOR 35mm F1.8 G ED」と「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」があります。
シグマでは、「Sigma 50mm F1.4 DG HSM」と「SIGMA 35mm F1.4 DG HSM」が用意されています。
どちらの製品ページにも、「サジタルコマフレア」や「コマ収差」をキーワードとして、特長を説明しています。