今回の「オールドレンズを楽しむ」は【Sony α7R+Distagon T*25mm F2.8】です。
Carl Zeiss T*コーティングによる圧倒的な描写性で人気を博したコンタックス・ツァイスの銘レンズを、ソニー製のミラーレス一眼カメラ【Sony α7】シリーズのカメラで甦らせることが可能となりました。
これに大きく貢献しているのは、複数のメーカーが製作販売している専用のマウントアダプターでしょう。
もちろん、以前からマウントアダプターを介してオールドレンズを楽しむやり方はありました。
しかし、画角も変わらずそのままの焦点距離(例えば、18mmのレンズはそのまま18mm)で、しかも制約(特定のレンズが使えないなど)も事実上ほとんど無く、眠っていたレンズを甦らすのはソニー製のミラーレス一眼レフカメラ【α7シリーズ】が誕生して可能となったと理解しています。
甦るCONTAX ZEISS レンズの魅力
Carl Zeiss T*コーティングによる圧倒的な描写性で人気を博したヤシカ/コンタックス・マウントの銘レンズの中から,今回は【Distagon T*25mm F2.8】を、ソニー製のミラーレス一眼カメラ【Sony α7R】で甦らせてみました。
ディスタゴン T*25mm F2.8
画角80°、360gのこのレンズは、広角系の使用レンズが多様化するまでは、プロカメラマンも含めて必ずと言って良い程、購入されるレンズでした。(一般的には25mmまでが常用レンズと考えられていたからです。)
もっとも、この焦点距離のレンズは国内メーカーには見当たらなく、それに相当するのが24mmでしょう。
なぜ、24mmではなく25mmなのでしょうね。謎です。(^^)
このレンズの特長は、中心部のコントラスト、解像力が開放絞り時に非常に良く、被写体の主題を決めるとそのポイントがしっかりした像で形成されるため、くろうと好みのする味わいのあるレンズです。
私にとってこのレンズの最大の特徴は「逆光耐性」でした。
山岳写真では、私の撮影スタイルは「太陽に向かってシャッターを切る」を旨としていました。
実際、作品の90パーセント以上が逆光か反逆光の撮影でした。朝陽や夕陽のドラマティックな状態を撮ることが多かったので必然的にそのような写真になりました。
ツァイスのレンズはそのコーティング技術の高さから一般に逆光に強いと言われていますが、その中でもこの【Distagon T*25mm F2.8】はずば抜けてゴースト・フレアに強かったのです。
こういう写真が安心して撮れました。同じような条件で同じように撮影してもゴーストが発生する時も稀ですがありました。
しかし、そのような時は「このレンズでゴーストが発生するのなら諦めるしかない」と受け入れることができました。
それほどゴースト・フレアに強いレンズでしたので、山岳写真では一番愛用していたレンズです。
試写・検証の印象と作例
ソニーの【Sony α7R】は逆光耐性の強いボディのはずなのですが、ゴーストが発生しました。それも顕著に!(^^;)
もちろん、カメラに問題があるのではなく、相性の問題あるいはレンズの設計やコーティングが古いためだと思います。
実際、他のレンズではフィルム時代よりもゴーストが出にくいレンズもありますから。
【Distagon T*18mm F4】の試写の時も感じたのですが、ツァイスのレンズは開放値付近の絞りでは本当に柔らかい描写をします。
広角系のレンズはほとんど山岳写真に用いていましたので、あまり意識したことは無かったのですが、今回の試写であらためてそのことに気がつきました。
下記のサンプル画像はリサイズ以外は無編集です。いわゆる“撮って出し”のJPG画像です。
しかしながら、このブログに投稿すると自動的にある程度”圧縮”されるので、厳密な意味での“撮って出し”ではありませんのでご了承ください。
その代わりに、生データは本ブログの母体である「石鎚自然写真館」の『甦る銘レンズ』のコーナー、ディスタゴン 25mm F2.8 でダウンロードできるようにアップしていますので、興味のある方はダウンロード(1枚あたり13~15MBほど)して、モニター上で等倍にして検証してみてください。
ディスタゴン25mm F2.8+SONY α7Rのサンプル画像(絞り F2.8)
ディスタゴン25mm F2.8+SONY α7Rのサンプル画像(絞り F4)
ディスタゴン25mm F2.8+SONY α7Rのサンプル画像(絞り F5.6)
ディスタゴン25mm F2.8+SONY α7Rのサンプル画像(絞り F8)
ディスタゴン25mm F2.8+SONY α7Rのサンプル画像(絞り F11)
ディスタゴン25mm F2.8+SONY α7Rのサンプル画像(絞り F16)