オールドレンズを楽しむには、レンズのマウントを改造するのでないかぎり、マウントアダプターが必要になります。
マウントアダプターとは?
本来は装着不可能なレンズを任意のカメラで使うためのアクセサリーです。いわば、マウントの異なるカメラとレンズの“橋渡し”をしてくれるものです。
マウントアダプターを使うと、複数のマウントの異なるカメラで同じレンズを共有したり、フィルム時代に愛用した今では防湿庫に眠っているレンズを最新のデジタル一眼レフカメラに装着して現役復帰させることができます。
つまり、数十年前のレンズでデジタル撮影ができるのです。
つまり、マウントの垣根を越えてレンズを使うことができるカメラとレンズの“コラボレーション”が生まれ、撮影の楽しみを大きくしてくれます。
フィルム時代の銘レンズや独特のクセのあるオールドレンズで、現代のデジタル設計のレンズでは味わえない描写を楽しむことも可能です。
そこで、今日は私が選んだ信頼のおける純国産の【RAYQUALマウントアダプター(宮本製作所)】の紹介をします。
◆Rayqual【CY-SαE】 SONY αEマウント+Contax/Yashicaマウントレンズ
◆Rayqual【CY-SαET】SONY αEマウント+Contax/Yashicaマウントレンズ【三脚座付き】
RAYQUAL製マウントアダプターの特長
◎純正レンズ、ボディマウントの規格を徹底的に追及した廉価版とは一線を画する工作精度。
◎品質管理が徹底されているので精度が高い。
◎鏡筒内の内面反射防止も、高画質なデジカメには不可欠の処理です。良質の無反射塗装やフレアカッターを装備。
◎色落ちしない表面仕上げ。
なお、粗悪な廉価版製品だと金属粉が出て撮像素子を汚す場合があるようです。要注意ですね。
フランジバックについて
フランジバックとは、「レンズ交換式のカメラにおいて、マウント面から受光面(フィルムや撮像素子面)までの距離」のことです。
普通の一眼レフカメラでは、受光面の前にミラーがあるのでフランジバックは長くなります。対照的に、ミラーレスのカメラでは、ミラーが無い分フランジバックが短かくなっています。
そしてこの点が肝心なところなのですが、アダプターを介してマウントの異なるレンズを装着する場合、フランジバックが短い方が多くのレンズに対応可能なのです。
その結果、私の場合のように【Sony α7R】で「ヤシカ/コンタックス・マウント」のツァイスレンズを超広角の18mmレンズから使えるようになった訳です。
マウントアダプターを使う際の注意点
1.基本的に、自己責任で行うことですので、何かあってもカメラメーカーやレンズメーカーの補償は受けられません。
2.マウントは対応していても、レンズの後玉が大きくせり出しているレンズは、レンズ面とアダプターの遮光板が干渉してしまい、レンズに傷をつけてしまう可能性あります。特別なレンズは事前の情報収集が不可欠です。
3.ライカ M型のようなレンジファインダー用レンズで、焦点距離が35mm以下のレンズを使用した場合、マゼンタかぶり・周辺光量の低下・解像度の低下(周辺の像の流れ)などで本来の描写性能を出せないことが予想されます。(「バックフォーカスの長い一眼レフ用レンズでは広角でも描写が損なわれることはないようです(宮本製作所)」とのことですが、私の検証(Distagon T*18mm F4など)でもそのような結果が出ています。)
宮本製作所とRAYQUAL
宮本製作所は、1948年に金属加工工場として創業。精密機械加工を得意とし、かつては輸出向けの接写リングの製造が主だったのが現在では国内向けのマウントアダプターの製造が主になっているとのことで、数社のアダプター販売商社にOEM供給もしているようです。
「RAYQUAL(レイクォール)というブランド名はRAY(光)+EQUAL(等しい、同じ)からの造語になっています。マウントアダプターを使用し、他社間のレンズとカメラボディを使用して撮影した場合も本来の撮影と同等の画像(光)を得られる高精度のマウントアダプターを作りたい。このような製造者の意気込みを表したブランド名です。」