EIZO ColorEdge CG277(キャリブレーションセンサー内蔵)でカラーマネージメント

カラーマネージメントを追求するために購入したEIZOが誇るColorEdgeシリーズのキャリブレーションセンサー内蔵モニタを購入するまでのいきさつとセットアップの様子をご紹介します。

カラーマネージメントを行うためにまず必要なのは,細かな設定を行える高品質のモニタです。

この記事がカラーマネージメントはハードルが高いなと思われている方たちの第1歩になれば幸いです。

EIZOの高品質液晶モニタ「ColorEdge CG277」購入まで

デジタル一眼レフカメラと写真の総合サービス「GANREF」において『デジタル写真の必修科目・カラーマネージメント講座』という記事が5回にわたって連載される企画が始まりました。

今から5年以上も前の、2009年末のことです。

ちょうど、フィルムカメラを併用しながらも、デジタルカメラを本格的に使い始め3年ほど経過し、フルサイズ機に移行するタイミングをうかがっていたころです。

デジタル一眼レフカメラを初めて使うようになったころ、私はたまたま仕事の関係で10台近くのコンピュータとモニタを所有していました。

そして、ブラウン管式と液晶モニタが混在していました。

そのために必然的に、モニタによって色相・コントラスト・彩度などが異なることを知りました。

加えて、デジタルカメラで撮影したRAWデータを扱うようになって、モニタ上でのレタッチ結果と印刷結果との違い、あるいは出力するプリンターによる違いにも否応なく気付かされました。

そのような経験から、銀塩写真からデジタル写真に移行するにしたがい、徐々にカラーマネージメントの大切さを認識するようになりました。

上記の連載は、カラーマネージメント初心者には専門用語が多く、難しいところもありましたが、「目から鱗」の内容が多く、カラーマネージメント概略とその必要性は大体理解できました。

ポジフィルムが写真の色彩表現の中心であった時代、ライトボックスは観察のための基準であり、光源の違いによって如実に差が見えることから、標準規格の普及が推進された。デジタル時代のライトボックスは液晶モニターであり、機種も多種多様で、正しく選び、適切に運用するためには知識が必要になる。色彩観察のキーデバイスである「液晶モニター」を理解することは、写真観察上の無用な誤解を払拭してくれ、写真を楽しむための要になるのだ。

デジタルカメラ・スキャナ・モニタ・プリンタなどの異なるデジタル機器間の色を統一する目的で管理するシステムのことを、カラーマネージメントシステム(Color Management System)、略して【CMS】と呼びます。

上の連載記事を読んで、CMS(カラーマネージメントシステム)の手始めとしてキャリブレーションが可能なモニタを購入しようと考えました。

モニターの1つは、EIZOの【FlexScan】を使っていたので、やはりEIZOの製品で一番カラーマネージメントに適しているモニタを購入候補に挙げました。

ところが、これがなかなか高価なわけで簡単には買えません。

このようなキャリブレーションセンサーとキャリブレーションソフトも必要です。

両方で相当な額になります。

まして、フィルム写真からデジタル写真への移行途中で機材そのものの充実を図らなければなりませんから、予算がない、の一言でした。

結果的に、パソコンの買い換えや撮影機材の買い増しを優先せざるを得ない状況を言い訳にし、面倒そうなカラーマネージメントをおろそかにしたのです。


そのツケを払う時がやってきました。

2014年11月の末に、ある問い合わせがありました。

4Kテレビで静止画をスライドショーにして鑑賞するデータを作ってくれないかというものでした。

求められる品質の条件はかなりハードルが高いものでした。

必ずしもRAW現像ソフトを完璧に使いこなしているとまでは言えないレベルでしたし、そもそもカラーマネージメントができる環境が整っていませんでした。

このような状況からせっかくの依頼に応えることができませんでした。

これは相当ショックでした。

この一件で写真鑑賞のあり方が変わろうとしていることを認識すると同時に今までの怠惰を強く反省し、カラーマネージメントを一から勉強し直すことにしました。

今は数年前と比較にならないほど多くのCMS(カラーマネージメントシステム)に関する情報がネット上にあげられています。

それぞれの執筆者がそれぞれの視点から初心者向け、中級者向けにと教えてくれています。

ネットの情報はすべからく、一人の人の意見に偏るのは良くないので、写真家・デザイナー・ハードメーカーなどの多数のウェブページを読みました。

年が明けて2015年1月にはRAW現像カラーマネージメントに関する講習会にも参加しました。

その会場で目星を付けていたEIZO製のモニタやA3ノビまで印刷できるプリンタにも触れました。

メーカーのスタッフにもいろいろと質問させてもらい、CMSの全体像が見えるようになりました。

講習会からの帰り道に、購入を決意しました。

後は製品の選定とタイミングの問題だけでした。

本当は、この時期に高級なモニタを買うなら発表されたばかりの【4K】に対応した【CG248-4K (キャリブレーションセンサー内蔵)】が欲しかったのですが、私のコンピュータが【4K】出力に対応していません。

グラフィックボードを交換するにも相性の問題などが生じますし、費用の問題もあります。

「特にカメラユーザーに最適」と謳っているので価格を別にすればベストチョイスなのでしょうが…。

撮影した高画素の写真データを従来に比べ忠実に再現できるため、フォトグラファーは撮影した被写体を細部まで丁寧に確認できます。フルHDの4倍にあたる3840×2160 / 4KウルトラHD(以下、4K UHD)の解像度は、4KTV放送などの制作・確認作業にワークフローを横断して使用できます。

◎参照ページ(1):4KウルトラHD解像度のグラフィックス市場向け高密度表示モニターを発売

◎参照ページ(2):EIZO、4K UHD対応のカラーマネジメント対応ディスプレイ-ColorEdge史上最高の表示密度185ppi

ColorEdgeにすること、そして、「キャリブレーションセンサー内蔵」製品を購入することは簡単に決まりましたが、24インチにするか27インチにするかで数週間迷いました。

何しろ高価な買い物なので、後悔のないように納得できるまで考えました。

結局、あらゆる条件を考慮して、27インチの【ColorEdge CG277】に決めました。

EIZO ダイレクトでは、3月11日まで「11周年記念セール」キャンペーンをやっていたので、それに間に合うように注文を入れました。

ちなみに、キャリブレーションセンサー内蔵タイプが選べるようになったことが強く背中を押してくれました。

また、内蔵だと自動でやってくれるので、キャリブレーションのハードルをずいぶんと下げてくれます。

このレベルのモニタを複数扱う人は外部キャリブレーションセンサーがよいと思いますが、このような高価なモニタを2台も持つことはできませんので、上記のような選定になりました。

ColorEdge CG277(キャリブレーションセンサー内蔵)のセットアップ

3月10日、ヤマト運輸から宅急便で到着しました。

★届いたダンボールの中身

本体以外に、コード類と遮光板そしてCDが入っています。

本体に張り付いている用紙は、工場出荷時にこ「のように調整しました」という証明書のようなものです。

届いた荷物の中身

★遮光板

遮光板のパーツを袋から出すとこんな感じです。これを組み立てて取り付けます。

各パーツに番号が書かれているのでどのパーツとどのパーツを組み合わせるのがよく分かります。

器用な人なら自作もできる程度のものですが、取り付けられる部分(モニタの周り)が薄いので、排熱するところをふさがないようにいかに安定させるかなどの注意点があります。

素直に純正をお薦めします。(^^)

遮蔽板

★組み立て完了

正面から見るとこんな感じです。これでは奥行きが分からないですね。

EIZO CG277 ColorEdge 27型液晶ディスプレイ

★斜めからの形状

少し斜めから見ると遮光板の奥行きがよく分かりますね。

部屋の照明の位置も重要です。手前過ぎるとこの奥行きでは防ぐことはできません。

机の上の照明の中心部はモニタの少し後ろにあるので、反射光以外は完全に防げます。

EIZO CG277 ColorEdge 27型液晶ディスプレイ

左に窓があり、外光が入ってきますのでカーテンは常時閉めています。

それでも影響はあるので、近い将来に無彩色の布かカーテンで覆う予定です。

また、机からの反射光もありますから、それにも対応する予定です。

モニタの前側、私が座る場所の背中側の壁は現在無彩色に近いのですが、反射防止も考慮してつや消しの黒い布で覆うことを考えています。

カラーマネージメントをやると決めたからには、可能はことは徹底してやります。

★ソフトのインストール

通常のモニタならこれで使えるのですが、キャリブレーション対応のモニタは「調整」を行う必要があります。

そのために、まずは「ColorNavigator」というキャリブレーションソフトをインストールします。

ソフトのインストール

ソフトのインストール

★キャリブレーションセンサー

ソフトをインストールしたら、キャリブレーションを実行します。

センサーが自動的に出てきます。初めてだったので何が出てきたのだろうと驚きました。(^^)

キャリブレーションセンサー

★キャリブレーション実行中

デフォルトの3種類(後述)の設定目標にたいして、それぞれキャリブレーションを実行します。

調整過程で、いろいろな色に対してキャリブレーションを自動で行ってくれます。(この画像は青色に対してキャリブレーションを行っているところです。)

キャリブレーション動作中

キャリブレーションが完了すると結果表示画面が表示されます。

計算値と大きくかけ離れていなければOKです。

キャリブレーションソフト起動中

キャリブレーションの「調整目標」として、

1.WEB向けコンテンツ作成用

2.写真用

3.印刷用 (※写真プリントのマッチングに最適な設定)

の3種類がデフォルトで用意されています。

さらに、必要があれば独自の設定目標を追加することができます。

私は「写真用」として、デフォルトの設定とは異なる設定をしたいので、1種類追加しました。

これは、カラーマネージメントを勉強した結果、写真用としてベストであろうと思われる設定を見つけることができたからです。

CMS(カラーマネージメントシステム)の第1歩

設定はまだ終わりません。

(1)ソフトウェアの設定

モニタの画面と写真プリント結果を一致(カラーマッチング)させるためには、写真データを扱うソフトウェアのカラー設定を正しく選択しておく必要があります。

EIZOのサイトに設定情報が掲載されています。

★EIZOの該当ページ ⇒ 表示レタッチソフトの設定

私の環境(使用レタッチソフト)では初期設定のままで使うことができるようです。

ソフトの中には、【AdobeRGB】に対応していないのもありますから注意してください。

(2)プリンタの設定

次に、

自家プリントを行う場合は、使用しているプリンタをカラーマッチングに適した設定にする必要があります。

モニター画面と写真プリントをカラーマッチングさせるためには、写真データに忠実にプリントできるプリンタを使用する必要があります。また、プリントする際のプリンタのカラーマネージメント設定も正しく選択することが重要です。

ちなみに、外注の場合は、ほとんどの場合、色域は実質的に【sRGB】だと思いますので、それに合わせたレタッチおよび書き出しが必要になります。

ところで、

CMSに踏み出したのですから、今すぐには予算がないので実行に移せませんが、A3ノビまでは自家プリントを行いたいと考えています。

候補としては、

Epson Proselection PX-7V

おなじくエプソンの

Epson Proselection SC-PX5VⅡ

です。

カラーマネージメントの講習会でどちらも実機に触れましたし、プリントもしてもらったので仕上がりには不安はありません。

(3)モニタの微調整

手動調整機能を使って微調整を行うことができます。

レタッチソフトウェア上での表示と印刷した写真プリントの色が微妙に異なるので微調整したいという場合に行う作業です。

今の段階は、不必要なのでこの作業はパスしました。

(4)モニタの定期的なキャリブレーション・スケジュールを設定

モニタは、使い続けると経年劣化のために輝度や色味が変わり正しい色で表示できなくなります。(※人間の目はそれに順応しますので少しの変化ぐらいでは気が付きません。)

これを回避するために、キャリブレーション・ソフト(ColorEdge CG277の場合は、ColorNavigator)を使って、定期的にモニタの再調整(元の正常な状態に戻す作業)を行う必要があります。

EIZOは「200時間に1回」の実施を推奨しています。

色に厳しい写真家は「1週間に1度」すべきと述べています。

★付属のUSBポート

この製品には、「モニターコントロール用×2ポート」が付いています。

これはキャリブレーションを実行するためにPC本体とモニタ本体をUSBで接続しておく必要があるからです。

それとは別に、「USBハブ×2ポート」があります。他のUSB機器にお使い下さいということでしょうね。

せっかくなので、ポートの1つは【iPhone 6】を充電するのに使うことにしました。

USBポート

まとめ

苦節5年(^^)、ようやくColorEdgeを所有することができ、カラーマネージメントの世界に足を踏み入れることとなりました。

まだ初心者ですから、これからもCMS(カラーマネージメントシステム)の勉強を続ける必要があります。

自分の学習のために、そして私のようにこれからカラーマネージメントを考えている写真家さんのためにも、私が参考にさせてもらったサイトの情報などを「CMS(カラーマネージメントシステム)学習リンク集」のようなものにまとめ、記事として近い将来にアップしようと思います。


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