星空の適正露出を探る-撮影編|星景写真の知識

地上の風景と星瞬く夜空を組み合わせた星景写真の「適正露出」はどのように求めればよいのだろうか?

液晶で明暗を見るのではなくヒストグラムを活用する!

現場で撮影後に液晶画面で確認して「適正」と判断し、後からPCで表示させると「カメラの液晶画面ではもっと明るかったのに!?」ということになります。

星景写真に限らず夜の撮影を経験したことがあるほとんどの人が経験していることでしょう。

これは、夜間のようにとても暗い環境の中では液晶画面の明るさが際立ち、実際よりも明るく見えてしまうためです。

デジタルカメラで初めて星景写真に挑戦したのは2005年だったのですが、その頃はその差が今よりももっと極端で大雑把に言って【2EV~3EV(絞り2~3段分)】ほど明るく見えていたように思います。

一番古い星景写真のRAWファイルでは、2007年に撮影したのが残っていました。これをサンプルとして付けておきます。

適正露出

左の画像は、撮影時には適正露出だと思ったのですが、実際はこのように暗い写真になっていました。この画像を露出だけ【3EV】分補正したのが右の画像です。

これも見てアンダーでも露出補正すればよい、と思ってはダメです。【3EV】分も露出補正しなければならないような撮り方をすると現像時に多量のノイズが発生します。

ちなみに、「露出補正」の値はそのままに”作品”に仕上げたのが下の画像です。

月光のオリオン座-0501

月明かりのオリオン座

最近のカメラではこういう点も改善されて、【1~1.5EV】程度の差ではないでしょうか。

そうすると、使用カメラのこの「見え方の差」を見つけ、現場で液晶画面を見て「差」を加味してその分明るめに撮ればちょうど良いくらいの露出が得られるということになりそうです。

しかし、これでは「客観性」に欠けます。

何かしら適正露出の「基準」を探りたいと思いました。

そこで、『ヒストグラム』を利用することにしました。

適正露出はヒストグラムの山に注目!

まずはテスト撮影をしてデータを取ります。

テストの目的は、カメラの液晶に『ヒストグラム』を表示させて、黒ツブレ(左端の山)を除いた山のピークがどの位置にあると適正露出になるのか、を知ることにあります。

具体的には、絞り値と露光時間を固定して、感度設定を【1/3EV】刻みで上げていきながら撮影しました。

このテストを撮影に行くたびに繰り返しました。

というのは、月の光の有無・強弱、時間帯、街の光の影響など、撮影ポイントによって条件が一定でないためです。

テスト撮影に用いたカメラはニコンとソニー製です。

レンズはそれぞれ純正の【16-35mm F4】のズームレンズです。

焦点距離は最広角の【16mm】で、絞りは開放値の【F4】に設定しました。

【サンプル画像】

星景写真の露出-6982

開放値が【F4】だと、星を点で表現するときにはこれ以上は絞りたくないので、感度設定で露出を調整することになります。(露出時間は30秒です。これ以上長くしたくない数字です。)

ということは、高感度になればなるほどノイズが乗ってきます。

したがって、感度をできるだけ抑え、同時に明るさも確保することを目指しました。

上の画像では、感度は【6400】です。(可能ならば、これ以上は上げたくないという値です。)

テストを繰り返した結果、「山のピークは左から4分の1」くらいが適正だろうと判断するに至りました。

上の画像の「(カメラで表示される)ヒストグラム」が下の画像です。

ヒストグラムに関する注意:

「ヒストグラム」は現像ソフトでも表示されますが、撮影時に参照するための『基準』にするのであくまでもカメラの液晶に表示される「ヒストグラム」上での位置を問題にします。

現像ソフト【Lightroom】では、同じ画像でもソフト上のヒストグラムの方がアンダーに表示されます。

ヒストグラム

これはこれで大きな間違いではないだろうと思っていたのですが、テスト撮影をしそれを現像するという作業を繰り返してあることに気がつきました。

ほとんどの場合、現像ソフト上で【1/2EV】前後明るめに露出補正をすると自分の中で「適正」という感じがするのです。

【+1/2EV補正した画像サンプル】

星景写真の露出-6982

【1/2EV】程度の補正であれば、昼間の写真の場合は実害はないレベルなのですが、星景写真では、やはりその分ノイズが増えます。

この8ヶ月ほど100枚ほどの星景写真を現像してきて感じるのは、全体の露出に関しては手を加えなくて済むRAWファイルから現像すると結果が一番良いということです。

できる限り高品質な現像を心掛けているので、特に星景写真に関しては、撮影時に「適正露出(=現像時に露出補正する必要のない適露出)」を目指したいと思います。

現場でテスト撮影をし「山のピークが左端から4分の1」になったら、さらに【1/2EV】ほどプラスになるように調整します。

具体的には、絞り値や露出時間あるいは感度で、あるいはその組み合わせで【1/2】相当になるように調整します。

目指すは、ヒストグラム上の『左から4分の1+1/2EV明るめ』です。

これが現在の私の基準です。

適正露出のまとめ

露出には撮影者の好みも反映されると思います。

自分の理想的な基準値を見つければ昼間の撮影よりも、露出の管理は簡単だろうと思います。

夜の撮影において、表れる「山のピーク」は”インジケーター”のように際立っているので、その位置だけに注意すれば常に適正露出が得られます。


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