1mm単位で焦点距離にこだわって構図を極める!

2015年春から本格的に星景写真を撮るようになった。

私の撮影フィールドは西日本最高峰の石鎚山(標高1982m)をようする石鎚山系だ。

特に瓶ヶ森(標高1897m)のどこかで撮影することが多い。

今年は諸々の撮影データを収集することを主目的に夜間の撮影に取り組んできた。

私は星だけ写すことには興味はないので、特にどこで撮影すればどういう星景写真が撮れるか、心当たりの場所で試写を重ねてきた。

その中で1カ所だけは、構図的にバランスの良い絵作りをするためには、複数の条件と折り合いがつく適切な焦点距離が【20~21mm】がベストという場所がある。

その撮影ポイントとは、下の写真の場所だ。(16mmで撮影した写真がお見せしよう。)

焦点距離16mmでの構図

焦点距離【16mm】

ほとんど撮って出しに近い写真なのだが、目立った星がないので間が抜けた印象があると思う。

その理由を探ってみる。

中央部から右半分は、立ち枯れの樹、特徴のある稜線(石鎚山)、樹木と変化がある。

自然と視線の移動がほとんど右半分に限定されてしまうだろう。

その一方で、老木から左半分は目を引くようなものは何もない。無駄でしかない空間だ。

このままでは”作品”にはなりえない。

構図はバランス感覚がすべて!

一般に、

星をたくさん撮り込もうとすると超広角と言われる焦点距離域を使うことが多くなる。

上の場所も山並みに近いところは光害(街の光)の影響を受けて明るくなるので、上部にできるだけ星をたくさん映し込みたいところだ。

そうなると所有しているレンズ(ズーム)で最も広角なのは【16mm】なので、その焦点距離を使うことが必然的に多くなる。

ここで問題になるのは、立ち枯れの老木の位置だ。

16mmで撮影すると画面の中央付近に立ち枯れの樹がくることになり、その結果、画面を左右に分割してしまうような印象がある。

バランス感覚が優れている人なら、画面の左端から4分の1近くは不必要に感じるだろう。

三脚を設置できる場所に余裕はなく、前後左右に30cmも動かせない。

カメラを右にふると、樹木が多くなり黒くつぶれる面積が無意味に増えてしまう。

事実上、ほぼピンポイントの位置で撮影しなければならない。

そこで、焦点距離【16mm】でのこの構図を成立させるために、老木の左上に目立つ星や星座を置くことにした。(正確には、そういう星や星座が構図内に入ってくる時間帯に写すということだ。)

左の空間を生かして全体のバランスをとるためだ。

焦点距離【16mm】

焦点距離【16mm】

存在感のある星や星座を置くことで画面に緊張感が生まれると同時に、視線が左上から樹に、そして右下の山頂にと自然に移動するようになる。

撮影できる場所(=三脚をおけるところ)が限られているとなると、焦点距離【16mm】付近での撮影では上の作品のようにシリウスやオリオン座を配したり天の川の登場を待つのがベターな条件となる。

それでも立ち枯れの樹は少しでも左にある方が落ち着きがよいことに変わりはない。

確かなのは、何の工夫もしなければ構図的に失敗作になるということだ。


老木の位置を少しでも左に寄せるためにはレンズの焦点距離を長めにする必要がある。

そこで、星景写真に使っている主レンズが【16-35mm】なので、20mm前後の焦点距離に目星をつけ、18mmから22mmまで1mm単位で撮影してみた。

その結果、偶然にも単焦点レンズにもある【20~21mm】という焦点距離がベストであった。

石鎚山をもっと主張するのであれば、空の面積がその分少なくなるが、【24mm】がベストであることも確認した。

ただし、立ち枯れの樹や右の樹木はすぐ目の前にあるので星景写真では被写界深度に注意を要する。

ちなみに、【20mm】に比して【24mm】では、過焦点距離にして【約2m】の差が生じる。

(この差を光学ファインダーで調整するのは難しい。何度も試し撮りをしなければならないだろう。)

下の作品は撮影日は異なるがいずれも【20mm】での撮影だ。

◎六日月と暮れなずむ石鎚山

暮れなずむ石鎚山

◎星降る石鎚山

この時間帯は目立った星や星座がないので長時間露光(15分)で星の軌跡を表現した。

composition-0779

これからこの場所で撮影する場合は、条件によって【16mm】【20mm】【24mm】のいずれかを選択することになる。

老木の位置と映し込む星の数を考慮すると【20mm】か【21mm】を一番多く使うことになると思う。

ついでながら、この場所での撮影にこだわるには特別な理由がある。

それはこの立ち枯れの樹の存在だ。

立ち枯れの樹があればこそのポイント

瓶ヶ森にはかつて多くの立ち枯れの樹があったが、現在は少なくとも石鎚山を背景に入れて撮影できる場所にはほとんどない。

倒木となり朽ちてしまった。

あったとしても横に張り出した枝がほとんど無くなっていて”絵”にならない。

私は立ち入りが禁止されている笹原でロープを越えて入っていくことはしないので、ルールを守って撮影できる範囲のことしか分からないが、私にとってこの場所しか星景写真に立ち枯れの樹を積極的に生かして撮影できるポイントはない

ここしかないのだ!

そして、この立ち枯れの樹はいつ倒れてもおかしくない。

この老木の根元には「倒れる可能性があるので近づかないように」という内容の注意喚起のための札がつけられている。

それくらいだから、いつ強風や積雪の重さで倒れるかも知れない。

だから時間が無い。

今のうちにできるだけこの場所で星景写真”作品”を創らなければと最優先撮影ポイントと考えている。

しかも、撮り直しがきかないかもしれないとなると、できるだけ高品質の作品を撮っておきたい。

そのためには、明るいレンズが必要だ。

なぜならば、長秒時露光や高感度撮影によるノイズを可能な限り抑えたいからだ。

明るい単焦点超広角レンズ候補

明るい単焦点レンズを使えば、1段階から2段階露光時間や感度を低く設定できる。

【24mmのF1.4】は所有している。星景写真撮影のために今年の春に購入した。

問題は、上述の理想焦点距離が中心となるので、【20 or 21mm】の明るいレンズが必要だ。

そこで最終的に目をつけたのが、下の2本だ。

現在、ネットで作例も含めて検索し情報を収集中だ。

★関連ブログ内記事ニコン【20mm F1.8G ED】 vs. シグマ【20mm F1.4 DG HSM】

足を使った上で使用する焦点距離を決める

ズームレンズは便利だ。1mm単位で焦点距離の調整ができる。

しかし、せっかくのズームレンズも使い方を誤ると”怠惰”な撮影方法になるかもしれない。

自分が動く代わりに、ズーミングだけで済ましてしまう人が多いように見受ける。

私自身は銀塩写真の時代にはズームレンズを旅行写真には使っても作品創りにはほとんど用いなかった。

逆光で撮影することの多い私の撮影スタイルには、ゴーストやフレアの問題でズームレンズは向いていなかったからだ。

だから、その分足を使った。

足でカバーできない場合は、単焦点レンズを細かく揃えた。

18mm, 21mm, 25mm, 28mm, 35mm, 45mm, 50mm, 60mm, 85mm などだ。

これらに中判カメラ機材も加えて理想的なアングル&構図を狙ったものだ。

最近はズームレンズの逆光耐性も優秀になってきたのでアウトドアの撮影でもズームレンズの恩恵に浴するのがよいと思う。

しかし、その際に、「足」も積極的に使って欲しいものだ。

そうすれば、1mmの焦点距離にこだわった構図を手にすることができるはずだから。

いや、ズームレンズだからこそ厳密な意味で「1mmにこだわった構図」が可能になるのかも知れない。


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