初心者のための「Lightroom」RAW現像例-逆光写真を鮮明に甦らせる(城と桜)

アドビの現像ソフト「Adobe Photoshop Lightroom 5」を使った現像例の第3弾です。今回は趣向をがらりと変えて、観光地で天気に恵まれたために時として起きる逆光の難しいシーンを扱います。

いかにしてアルバム写真(アルバムに貼りたいような写真)に編集するかがポイントです。

RAW現像例として紹介しようとすると、順光のよく光が回った風景は比較的簡単に編集ができてしまうので、どうしても条件の難しい逆光シーンを選んでしまいます。

他の現像例-3

逆光写真が鮮明に甦る【Lightroom 5】RAW現像プロセス

1.作品の完成イメージを構築する

現像作業に取りかかる前に、「現像の方針(=作品の完成イメージ)」を整理します。

これは義父を案内して県内の桜の名所を訪ねた時の写真です。作品を作ろうなどと思って撮った写真ではありませんが、少なくともアルバムに貼れるような仕上がりは意識したはずです。

アルバムに貼る観光写真とするには、条件が厳しくて逆光です。太陽は画面の向かって右にあります。

写真店のプリントサービスを利用すれば、全体的に明るく補正して見栄えがよくなるでしょうが、空の部分は白っぽくなり本来の美しさはでないでしょうね。

RAWファイル

主役の城と桜の露光を適正に補正し、銅像は脇役なので明るすぎるのも不自然でありアンダーの中にも馬と人物の表情がぎりぎり分かる程度に補正します。

この写真の場合、アルバムに貼る写真を自分で現像する一番の利点は、青空の描写にあるでしょう。

桜と似合うクリアな青空にしたいと思います。

ちなみに、私はアルバムに貼る写真のプリントサービスを利用する際にも、自分で現像して「補正無し」でプリントしてもらえるデータを一枚一枚作ります。

たとえL判でも、それがデジタル写真の恩恵だと考えています。

2.現像対象をよく観察する

「クリッピングを表示」させると、銅像が太陽の光をまともに受けている部分が白トビをしているのが分かります。しかし、面積的には少しなので気にする必要な無いレベルです。

画面の左角下にほんの少しですが、屋台のオレンジ色の屋根が写っています。ぎりぎり外したつもりですが、少し入り込んでしまいました。

これは「スポット修正」で消します。

映りこんでいないコマもありますが、現像例という目的のためにこちらを選びました。

 3.「レンズ補正」パネルを使って『歪曲収差&遠近感の歪み』補正を試してみる

今回初めて「レンズ補正」パネルを使うので詳しく書いておきます。

【Lightroom 5】の「レンズプロファイル」と「Uprightテクノロジー」を使えば、広角や望遠の歪曲収差も、アオリ・アングルの遠近感の歪みも、自動でまっすぐに補正してくれます。

今まで使う機会がなかったのですが、今回は城が大きく写っているので試してみるのによい機会です。

まずは、「レンズプロファイル」を適用してみます。

「レンズ補正パネル」の基本タブで、「プロファイル補正を使用」にチェックを入れると、自動で使用レンズのプロファイルが適用されます。

レンズ補正-プロファイル

自動で使用レンズのプロファイルが適用され、レンズ固有の歪曲収差が補正されます。

高層ビルだと効果がもっと分かりやすいのですが、左右上下が微妙に狭くなっているのがお分かりでしょうか。

それだけ歪曲収差が微妙に補正されているということです。

プロファイルによるレンズ補正-2

適用されたプロファイルは、プロファイルタブで確認することができます。

レンズ補正-プロファイル-2

次に、アオリ・アングルによる遠近歪みを補正します。

基本タブに戻って、Uprightの「自動」、「水平方向」、「垂直方向」、「フル」のいずれかを選択します。

レンズ補正-プロファイル-3

こういう機能に完璧なものはありませんので、歪みの特性によっては、うまく補正されるものとそうでないものがあるでしょうが、まず「自動」を選んで様子を見ましょう。

この結果を基準にして、念のために、「水平方向」「垂直方向」「フル」を適用して結果を比較してみるのがよいと思います。

ここでは、「自動」をベストと判断しました。

ついでながら、

「切り抜きを制限」にチェックを入れておくことで、補正量が大きい場合に発生する空白が切り取られ、被写体を自動で画角内に収めてくれます。

「色収差を除去」にもチェックを入れておくと、色収差があれば自動で補正してくれます。

左右上下がさらに狭くなりました。

結果、屋台の屋根の部分がほとんど分からなくなりました。(【Lightroom】上で見るとまだほんの少し残っています。)

プロファイルによるレンズ補正

4.「プリセット」や「カメラキャリブレーション」で様子をみてみる

左カラムの「プリセット」から『ポジプリント調』を充ててみます。

プリセット-ポジプリント

一見悪くはないですが、左と右の青空の濃度差が強くなり過ぎました。城の白壁の青かぶりも強すぎます。

結果、「カメラキャリブレーション」パネルの「プロファイル」で『Camera Neutral』を適用することにしました。(追い込んでいく時は、この設定が良さそうです。)

ついでにこのタイミングで、修正ツールの「スポット修正」で左下角の屋台の屋根を消しておきます。(この画像ではほとんど有無が視認できないとは思いますが。)

スポット修正

ここから追い込んでいきます。

5.ホワイトバランスと全体の明るさを調整

「基本補正」パネルでは、特別な意図がなければ、全体的に補正する場合は『WB(ホワイトバランス)』→『階調』→『外観』の順番にやっていくのがよさそうだとこれまでの現像例で分かりました。

ただし、修正ツールで細かな作業をする場合は、臨機応変に対処する必要があります。

『ホワイトバランス』は、「色温度」を「5200」に設定します。

「かぶり補正」は、「+5」を「+12」にして、白壁の青かぶりを改善しました。それによって,桜が多少桜色を増します。

『階調』では、「自動補正」を試すと白トビ部分が空に広がったので、露光量はそのままにして、「ハイライト」を「-50」に、「シャドー」を「+50」にして、桜と白壁が少し明るくなるようにします。

『外観』は、補正ツールで修正後に充てたいので今はスルーします。

基本補正

「段階フィルター」で空の上部の露出を落とします。

続いて、左下の桜を「円形フィルター」で明るくし彩度を上げて華やかにします。

さらに、「段階フィルター」を用いて、下部全体(桜の半分から下付近)を少し暗くして写真を引き締めます。

馬の腹部下の白っぽい青空を「円形フィルター」を使って少し落とします。

円形フィルターと段階フィルターで調整

「HSL」パネルで、青空の色相と彩度を補正します。

青空補正

アルバム写真としては少し暗い印象があるので、全体的に明るくします。

ただし、桜も明るくなって上部がトビ気味になるので、前に施した「円形フィルター」を調整し直します。 (このように、適用した修正フィルターはいつでも呼び出せます。)

円形フィルター

最終チェックをします。

全体的な色相や露出などの微調整をして、完成作品として書き出します。

完成作品

銅像が少し暗めですが、ぎりぎり質感は出しています。

好みの問題でもあるのですが、これ以上明るくすると、反逆光という状況なのですから不自然になる可能性があります。

他の現像例

ほぼ上と同じような作業で現像しました。

他の現像例-1

アルバムに貼りたい写真になったと思いませんか。

他の現像例-3

まとめ

せっかくデジタルカメラで撮るのですから、アルバム写真と言えども、写真店任せにしないで自分なりの調整をしてデータを作った方が納得のいく仕上がりになると思います。

また、今回使った「レンズ補正」パネルにおける『歪曲収差&遠近感の歪み』補正は、主に建物に有効でしょうが、被写体が山や高い樹木の場合にも使えそうな気がします。


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