野鳥の囀りが響く別子山の白樺林に咲く可憐なカタクリの花

いつもの年よりも開花が1週間から10日ほど遅れたカタクリの花が満開に近い頃だと予想し撮影に行ってきました。

場所は、かつて別子銅山で栄えた別子山にあるフォレスターハウスという住友林業の施設です。

苔の絨毯が優しい遊歩道が整備されている園内のシラカバの林に別子山に自生していたカタクリを移植しています。

県道沿いにあるこの施設は、専用の駐車場から高低差のほとんど無いところを100mほど歩いたところにあるので、山道を歩くこともなく普段の格好で気軽に自然の中に咲くカタクリの花を観賞するのにお勧めの場所です。

園内では、時折可愛らしい野鳥の鳴き声が聞こえてきます。ウグイスやオオルリの囀りに耳を傾けながらカタクリの花を愛でるのは山野草愛好家でなくても至福の時間になることでしょう。

※14日に偵察に行った時の情報は下記のページをご覧ください。施設の情報もあります。

カタクリ花の開花状況を確かめるためにかつて別子銅山で栄えた別子山の中七番地区にある住友「フォレスターハウス」に行ってきました。 以前は...

カタクリの花、写真集(19日撮影)

苔でふわふわの遊歩道を何周もしてその時折のタイミングで魅力的な被写体を見つけます。午前後半と正午頃では状況にかなり変化が生じています。

個体として綺麗であることはもちろんですが、写真は「光と影」なので、光の当たり方や回り方などを考慮してフォトジェニックなカタクリを探します。

咲き始めの14日以降好天が続いたので一気に開花が進んだようです。ピンクのカタクリが色抜けして白くなっているのもかなりありました。前日の18日ぐらいがベストタイミングだったのかもしれません。しかし、蕾もたくさんあったのえ後数日は楽しめるでしょう。

★No.1

林床でおしゃべりをする妖精たちの声が聞こえてきそうな雰囲気です。

★No.2

樹の根元近くに仲良く咲く魅力的な2輪を見つけました。

★No.3

アップで撮ってみました。与えられた条件の中でいかにベストアングルを見つけるか、このことに集中します。

★No.4

部分的に光が当たっている背景の明るいポイントを活かしてみました。

★No.5

光がよく回っているところに魅力的な被写体を見つけました。

★No.6

ここぞと思うポイントでは、創意工夫をしながら複数の作品に仕上げます。No.5に一輪を前ボケとして足して遠近感を演出しました。

★No.7

No.6の状態から少し引いて撮影しました。アスペクト比【16:9】のワイドモニター上で観賞するのに最適な縦横比率になるように上下をトリミングするのを前提としています。

★No.8

カメラ位置を下げて、つまりローアングル気味に撮影しました。花冠の位置をコントロールするためです。

★No.9

お気に入りのアングルをもう1つ見つけました。2輪のカタクリの距離が適度に開いているので奥行きがでます。

★No.10

上のポイントのベストショットがこの作品です。

No.11

★No.12

★No.13

★No.14

★No.15

★No.16

★No.17

★No.18

園内には何本か白花もあります。白花はシベまで白いです。この点が、いわゆる”白ヌケ”して白く見える個体との違いです。

実際、この日も白ヌケ花を「白花」と誤解して盛んに写真を撮っている人がいました。

園内の他の花の状況

14日には他の花はほとんど咲いていなかったのですが、数日の違いでこの日は少し華やかになろうとしていました。

★吉野桜(?)

カタクリの最終章と桜の満開が同時期になりそうです。

★ミツバツツジ

ほとんどのミツバツツジはこの程度の開花状況でした。

この木だけは満開状態に近い開花でした。

★コブシ

★アケボノツツジ

昔からこの園内のアケボノツツジはいち早く咲きます。

園内で見られる野鳥たち

自然豊かなところなので野鳥の種類も豊富そうです。標高が1000m超えるので、平地ではお目にかかれない野鳥もいます。

カタクリの花を観賞しながら、そんな野鳥の囀りに耳を傾けるのも楽しいでしょう。

★オオルリ

カタクリが開花し始めた頃に夏鳥としてやってくるようです。

オオルリは日本三鳴鳥の1種で、美しい囀りで知られています。

★コガラ

山に行かないと会えないカラ類です。

★ゴジュウカラ

これも山に行かないと会えない小鳥さんです。

★カケス

鳴き声はカラスに似たダミ声ですが、翼の一部にある青と白と黒のコントラストはとても美しいです。

※この日に撮影した他の野鳥写真は下記のページ(外部リンク)に掲載しています。

スプリング・エフェメラル(=春の妖精)について

セツブンソウ、フクジュソウ、ユキワリイチゲ、イチリンソウなどのように、地上に姿を現す期間はほんの数週間程度で開花期間は2週間程度と、早春に早く咲いて早く枯れる短命な林床性多年生植物を総称的に「スプリング・エフェメラル(=春の儚いものたい)と呼んでいます。

日本語では、「早春植物」とか「春の妖精」と呼ばれていますが、後者の方が好まれているようです。

★スプリング・エフェメラルに関する詳細は下記のページ(外部リンク)をご覧ください。

「スプリング・エフェメラル」という言葉をご存知でしょうか。春先から落葉樹林の林床に咲き始め得意なライフスタイルを持つ可憐な花たちのことです。 落葉樹林の林床に棲む妖精たちは,学問的な言葉ではなく叙情的に,しばしば“春の妖精”と呼ばれます。この春の妖精たちは早春植物とも呼ばれるように春先に咲くのが多いのですが,実際には種...

カタクリ(片栗)の図鑑情報

科+属:

ユリ科 カタクリ属

花名の由来:

「片栗」はクリの子葉の一片に似ているからだそうだ。

レッド・データ:

愛媛県は「絶滅危惧2類(VU)」に指定している。

生育環境・特徴:

山中に多くは群生する草丈15cm位(上記のフィールドでは10cm程度)の多年草。1茎に1花と1対の葉がある。

花茎の下部に対生状につく2枚の葉は狭卵形あるいは長楕円形。厚く軟らかく,表面に紫色の斑紋があるのが特徴だが,生育地によってはまったく見られない。

径4~5cmほどの紅紫色の花を茎頂に1つずつ下向きに咲かせる。稀に白花もある。

花被が強く反り返るのも特徴的だが,その内面に濃紫色のW字の紋があるのも特徴だ。

片栗粉と言われるように,昔は「りん茎」から良質のでん粉をとった。しかし、今はその役目はジャガイモやサツマイモが取って代わっているが、名前だけはそのまま残っている。

早春に咲くので,山の遅い春の訪れを告げてくれる花の1つだ。そのうつむいた咲き方が乙女の恥じらいのように映り,可憐さを増している。

花 期:

4月 ※年によって開花時期が1週間から10日ほど前後することがある。

分 布 情 報:

北海道 本州 四国 九州

撮影のポイント

早朝の瑞々しい時間帯に撮影したいと思う人もいるでしょうが、カタクリは光が当たらないと咲きません。自生地の情報収集が肝心です。

咲いている環境からどうしても背景がうるさくなるので,アップ気味の撮影ではその背景の処理の仕方で作品の印象が大きく変わるでしょう。

自生地では足を踏み入れないようにロープなどで立ち入りを規制している場合がほとんどだと思います。それに対応できるようにレンズを用意する必要があります。

  • 環境によりますが、ロープ近くのカタクリは広角系のレンズで背景を大きく取り入れるのも選択肢の1つです。
  • マクロレンズで接写もよいですが、綺麗な個体が近くにあるとは限らないので意外に使える機会は少ないと思われます。
  • 200~300mの望遠レンズは必須と言えるでしょう。被写体が小さいので遠くにある場合は超望遠レンズが必要な場合もあります。私は野鳥撮影用の【200-500m】超望遠ズームレンズも使用しました。
  • カタクリに直接日が当たっていることが多いので、RAW現像時の調整を意識して露出の加減を注意深く行う必要があります。

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コメント

  1. […] 野鳥の囀りが響く別子山の白樺林に咲く可憐なカタクリの花いつもの年よりも開花が1週間から10日ほど遅れたカタクリの花が満開に近い頃だと予想し撮影に行ってきました。場所は、かつて別子銅山で栄えた別子山にあるフォレスターハウスという住友林業の施設です。苔の絨毯が優しい遊歩道が整備されている園内のシラnature-photoartist.com […]

  2. 西倉美紗子 より:

    沢山のカタクリ写真集楽しませて頂きました。
    壁紙もしばらくカタクリで楽しみましょう・・・・・・・
    カタクリは以前山の会にいたころ、県北の山で見た事は有りますが最近はとんと見てません。 時々山野草展やお店で見かけますが、自然に咲いてる姿でないとどうも・・・・
    白色は珍しいですね。 園芸店では改良種らしい黄色も見かけた事が有りますが、つい「そんなにしてまで・・・」と思ってしまいます。
    庭の花たちも我先にと言わんばかりに開花し始めました。
    ゴールデンウィークは人混みに交わるより家でゆっくりが正解かもしれません。