究極のボケを追求した「FE 100mm F2.8 STF GM OSS」

”αレンズ史上最高のぼけ味にこだわったSTF(Smooth Trans Focus)レンズ”、「FE 100mm F2.8 STF GM OSS」が4月に発売されます。

2017年2月8日、ソニー発の新レンズ発表ニュースに、少々大袈裟な表現になるかもしれませんが、衝撃を受け驚喜した人は多いでしょう。

なにしろ、ボケ味を徹底的に追求したあの「STF」レンズが、新設計&新スペックとなって、高画質を謳うプレミアムレンズシリーズ「Gマスター」の一員として登場するのですから。

ソニーは、Eマウント用交換レンズ「FE 100mm F2.8 STF GM OSS」(SEL100F28GM)を4月に発売する。メーカー希望小売価格は18万8,000円(税別)。

α7R IIなどのフルサイズEマウントボディに装着できる中望遠レンズ。

STF(レンズ)とは?

STF」とは、

Smooth Transfer Focus の頭文字から作られた略称であり、日本語では「スムース・トランスファー・フォーカス」と読まれます。

ウィキペディアには、

中心部から周辺部に向けて透過光量がなだらかに変化する特殊なフィルタ(アポダイゼーションフィルタ)により、ボケ像を滑らかにした写真レンズの方式である。

と説明されています。

つまり、

一般的なレンズでは、概してボケは中心から周辺までが均一的になる、言い換えると、平面的になるため、ボケ味に立体感が無かったり、ボケの輪郭がクッキリと見えたり、あるいは二線ボケという現象が生じることもあるのですが、

ボケ味(Bokeh)は、

「ボケの中央に芯を残すと同時に、周辺にいくにしたがいなだらかな且つソフトなボケを形成する」

のが理想とされます。

これを具現化したのが、このSTFレンズなのです。

ちなみに、ソニーのサイトには次のように定義されています。

・STF(Smooth Trans Focus)レンズとは
アポダイゼーション光学エレメントという特殊効果フィルターを内蔵することで、滑らかで理想的なぼけ味が得られるレンズです。ハイライトは自然な広がりを持ち、点光源のぼけが欠ける口径食や二線ぼけが出にくいよう配慮された設計により、ぼけを生かしたナチュラルで立体感のある画像を堪能できます。

ソニー デジタル一眼カメラα(アルファ) 公式ウェブサイト。デジタル一眼カメラα(アルファ)SEL100F28GMの商品ページ。SEL100F28GMの特長をご紹介いたします。

難しい理屈は興味のある人に調べてもらうとして、

プロであれアマであれ写真家にとって大切なのは、

「STFレンズは、その理想的なボケ味によって、自然で立体感のある表現を可能にしてくれる」

という点です。

このようなSTFレンズがより使いやすい焦点距離で発売されるというニュースは、ボケ味にこだわりたい人にとっては衝撃的ニュースとして受け止められたことでしょう。

ところで、

STFレンズといえば、ミノルタおよびソニーαマウント用のレンズ「135mm F2.8 [T4.5] STF」が有名、というよりも、事実上唯一無比の存在であってきたと言えるでしょう。

下のようなレンズです。

★ミノルタ時代の「135mm F2.8 [T4.5] STF」

★ソニーAマウント用の「135mm F2.8 [T4.5] STF」

さらに、

私個人はユーザーではないので知らなかったのですが、

XF 56mm F1.2 R APD

というSTFレンズを富士フイルムが2014年12月に出しているようです。

フジノンレンズ XF56mmF1.2 R APDは、アポダイゼーション(APD)・フィルターを搭載した大口径の単焦点中望遠レンズ。F1.2が生み出す豊かなボケ味と、35mm判換算85mm相当の焦点距離が、被写体との適度な距離感と空気感を再現します。

新STFレンズ:FE 100mm F2.8 STF GM OSS

ソニーは、αレンズ史上最高のぼけ味にこだわったSTF(Smooth Trans Focus)レンズとし、次のように謳っています。

本レンズは、プレミアムレンズシリーズのGマスターとして、高い解像性能はもちろん、STFレンズならではの印象的なぼけ描写にも徹底的にこだわり、花、ポートレートやファッション、ウェディングの撮影などに適した中望遠単焦点レンズです。

『FE 100mm F2.8 STF GM OSS』の主な特長

焦点距離が135mmから100mmになったのは一目瞭然ですが、その他にどのような特徴あるいは特長があるのでしょうか、気になる点を確認してみましょう。

1.AFと手ブレ補正が可能になった!

今の時代にあっては、「135mm F2.8 [T4.5] STF」の弱点と言われても仕方ないマニュアルフォーカス(MF)が、新レンズではオートフォーカス(AF)に進歩しました。

像面位相差AFおよびコントラストAFの両方に対応しており、静止画・動画を問わず機能するとのことです。

AF/MF(マニュアルフォーカス)を切り替えるフォーカスモードスイッチが付いています。

MFということで使うのを躊躇っていた人たちも、これにより一気にハードルが下がるのではないでしょうか。

これに加えて、レンズ内光学式手ブレ補正機構も内蔵されました。これにより、光量が乏しいところでの撮影が格段に楽になります。

5軸ボディ内手ブレ補正機構搭載の「αボディ」に装着すれば、ボディ内蔵の手ブレ補正の効果も得られるため、さらに撮影領域が広がることでしょう。

これも購入を決断するのに力強い後押しになるでしょう。

2.口径食を大幅に抑制&11枚羽根の円形絞り

一般に、大口径レンズであればあるほど画面周辺にいくにしたがい目立ちやすくなる「口径食」を徹底的に抑制したとのこと。

★口径食=点光源などがラグビーボール状の歪んだ形になる現象

これにより、画面全域で、美しい円形ボケが得られることが期待できます。

また、新たに設計された11枚羽根の絞りユニットを採用することで、美しい円形ボケを実現したとのことです。

3.新開発のアポダイゼーション(APD)光学エレメントを採用

レンズの中心から周辺にかけて透過光量が低減する一種のNDフィルターのような効果を持つこのAPDこそが、STFレンズの肝心貫目の部分です。

・アポダイゼーション(APD)光学エレメントとは
アポダイゼーション(APD)光学エレメントは、レンズの周辺にいくほど通る光の量(透過光量)が少なくなる特殊効果フィルターです。絞り機構の近くに配置され、点像の輪郭を柔らかくすると同時に、二線ぼけの発生を抑制。結果として、ピント面は非常にシャープでありながら、前ぼけ・後ぼけの両方で滑らかで美しいぼけ味が得られます。

これが新設計&新開発されたということは、「135mm F2.8 [T4.5] STF」以上に、STFレンズ特有の洗練された自然で立体的なボケ味が得られることが期待できるのではないでしょうか。

ソニーも自信の表れでしょうか、次のように謳っています。

エッジのとれた滑らかで理想的なぼけ味を実現する光学エレメントの採用により、前ぼけと後ぼけの両方で柔らかな独特のぼけ描写を可能にしています。

4.マクロ域切り換え機能」を搭載

「マクロ域切り換え機能」を搭載しており、これによりマクロ域への切り換えが可能になります。

この切り替えは、レンズ本体のリングを使って行う仕組みのようです。

その結果、レンズ本来の高い解像性能を維持しながらも「最短撮影距離0.57m、最大撮影倍率0.25倍」の近接撮影が可能になります。

別途、接写リングを装着できれば本格的な超マクロ撮影が可能になるのですが、この点は情報不足で不明です。

STFレンズの注意点

1.STFレンズはアポダイゼーション効果により透過光量が減少する

アポダイゼーション光学エレメントは、レンズの中心から周辺にかけて透過光量が低減する一種のNDフィルターであるために、光量を損失しその分暗くなります。

つまり、レンズとしての開口径(=開放絞り値)は「F2.8」なのですが、通常のレンズの「F5.6」と同じ明るさしかありません。

「開放F2.8時の実効F値はF5.6相当」になるわけです。

そのために露光計算では「T値(=実質的なレンズの明るさ)」を、被写界深度計算では通常の「F値」を使い分ける必要が生じます。

また、絞りリングには、「F値」ナンバーではなく、「T値」ナンバーが記されています。

カメラに表示・記録されるF値もTナンバーの数値となっています。

2.ある程度絞りを開けた状態で使用しないと効果が出ない

STFレンズの原理上、ある程度絞りを開けた状態で使用しないとAPDエレメントの効果が出ません。

本レンズの場合、APDエレメントが働くのは、絞りリングで操作できる【T5.6~T8】までの範囲と考えられます。

まとめ

現時点で一番関心があるのは、当然のことながら実際の「ボケ味」です。

「135mm F2.8 [T4.5] STF」よりもさらに良くなっているはずですが、焦点距離が100mmということもあり、35mmの差がどのようにボケ味に影響を及ぼすのかも確認したいところです。

また、「自然で立体的な」ボケ味の実例をサンプル画像で確かめたいものです。

現時点では発表されたばかりなので不確かな部分もありますが、近いうちに実勢価格なども明らかになるでしょう。

レンズビューなどもアップされれば情報を追記したいと思います。

ちにみに、

「2017年2月14日10時、先行予約販売開始予定」

とのことです。

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